人喰人と不眠症
人喰人は不眠症に悩む。

以前にもどこかで書いたけど、事故などによる不幸な出来事以外で殺人を犯すことはまずないだろうと思う。「人を殺すことは悪いこと」というのが通常のモラル。戦争やテロなどの暴力で殺人が行われるときには、つねに対象(敵)を非人間化するレトリックがともなう。人間でない、または人間とみなさないというレトリックは殺人を殺人でなくしてしまう。現在はそんな歴史経験からまだ抜け出せていない。
殺人を犯そうなどと考えたことは一度もない。それだけに、もし自分自身が殺人を犯してしまうと、周りの他者が殺人者に豹変しないという保障が霧消してしまう。誰もがすでに殺人を犯しているかもしれず、また誰もが殺人者になり得る。そんな精神的環境におかれたら、きっと発狂してしまう(もう遅い、という人もいるけどね)。
人喰人は不眠症に悩んでいる。既婚の人喰人ならなお更だ。夫婦喧嘩のあと、先に就眠するわけにはいかない。先に寝込んだが最後、翌朝のメニューにならない保障はどこにもない。殺人を犯すことはないだろう・・・というのは、不眠症にはなりたくないのもひとつの理由。
悪い冗談?そうかもしれない。けど、人間関係のなかで考えられる、浮気や裏切り、詐欺や嫉妬などの色々な悪い行いにもあてはめることができる。悪いことをしている人の人相がすさむのは、自分のしてきた行為が人を信じられなくしているからだろう。日本に帰国したとき、町行く人の人相がとげとげしいものになっているのを感じた。結構色々なところで人喰人が増えているのかもしれない。
























