
高利貸金業と風俗産業は洋の東西を問わないようで・・・。
香港の繁華街を一歩はずれた通りのシャッターに貼られていた広告だが、日本の都心部でも見かける広告に類似している。貸金のビラがべたべたと貼られているところでは、貸金のビラだけが貼られている。ところが風俗のビラが貼られているところには、風俗に限らずに貸金業のビラも貼られているのが不思議。何かの力関係があるのだろうか。
こうしたビラを香港の表通りで見かけることはほとんどない。まったく無いとはいわないが、目だって貼られているようなことはまず無い。この点で新宿や池袋、御堂筋や心斎橋とはずいぶん違っている。大阪や東京の中心地で電話ボックスに入ると、あたりかまわずビラが貼られていて、目のやり場に困ることがある。それよりも公共の表通りに、貸金や風俗のビラが好き放題に貼られているのをみると、日本の品位を疑われることになっても仕方が無い。
そもそもこうしたビラを見て「商品」を求める人がいるのだろうか・・・と思うのだが、こうした手法が何十年も続いている現実を見ると、それなりの対費用効果があるのだろう・・・。これもまた自分にとっては不思議なことだ。
川崎に住んでいたとき、通勤途中の住宅街の壁一面にベタベタと風俗広告が貼られていた。深夜のうちに貼り付けていくのだろうが、惨めな風景だった。剥がしてもきりがないのだろう。糊の痕が残った壁が惨めだった。一昨年、資料調査で広島のアパートに2週間滞在したときには、3日に1度の頻度でアダルトDVDの折込がポストに入っていた。アパートの住民はそうした折込を床に捨てていくから、ヌードがいっぱい並んだビラがそこらじゅうに散乱していたのは酷かった。アパートの管理人がまとめて片付けていたようだが、雨の日にヌードが一面に並んだ折込が、ぬれた地面にピッタリと引っ付いているのをみたときには、あまりにも惨めなので妻と二人で片付けた。片つけていると、どうしようもないほど惨めになった。
たった2週間の短期滞在の我々でも気になって仕方が無いのに、そこに住む人が自分から何もしようとしないことには驚かされた。いや、そこに住んでいるから何もしないのかもしれない。感覚が麻痺を起こしているのだとしたら、短期滞在の我々が気になって仕方が無いことでも、気になることはないだろうし、そこに自覚が無い場合には、麻痺した感覚を責めることはできない。良識を訴えるだけでは片付けられない問題がそこにある。
・・・麻痺した感覚には、どのようにして気づくのだろうか。知らないという現実を知らない場合に、どのようにその現実を知るのか・・・。自分にとって面白い問いだと思う。
